クリスマスの朝。ふたりの部屋で、恋人が自死したのを発見することから始まる物語。
暗い部屋に、横たわる彼とツリーのライトが印象に残ります。
誰にも言わないのは、もしかしたら、離れたくない...って思うからなのかな...
温もりが消えてゆく肌にそっと手を滑らすモーヴァンから、彼への愛と寂しさを感じました。
淡々といつも通りに生活するのは、受け止められないってこと。
快楽に溺れていても、どこか醒めていて瞳の奥は哀しみで満ちている。
そんな前半の静かな緊張感から、ガラリと変わる後半の展開には驚くものがあったけれど、彼女は本能で生きてるのかもしれないって思った。そして平凡な人生は変わっていく...
モーヴァンの心の中を探るように観ていく作品。
台詞が少なくて淡々としてるけれど、感情はないわけではない。シーンごとの小さな心の揺れや感情のうねりを読み取っていくのが面白かった。
音楽がカッコいいし映像演出も美しい。窓を伝う雨の影が、モーヴァンの涙のようにみえた演出が好き。