いち麦

陰陽師0のいち麦のネタバレレビュー・内容・結末

陰陽師0(2024年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

PVや予告では「陰陽師などという仕事には全く興味が持てないんです…」と偉そうに宣っていた安倍晴明。果たしてどんな体験を経て陰陽師になる決意を抱くようになったのか見せてくれるフィクションとして期待していたのだが…。
この安倍晴明(山崎賢人)は何かASDっぽくて興味を引かれるが、最初から凄い部分だけを見せようとしているのか変で歪な部分の描写が振り切れてない感じ。そもそも陰陽寮に入ったのも自分を救ってくれた陰陽博士(國村隼)の指示に従ったまで。占術を学ぶ過程は全く出てこない。最初からもう既に呪術の天才だった彼が帝(板垣李光人)専属の陰陽師になるのは、少なくともこの映画の中では物語の最後まで行っても彼自身の意思ではない。最初から最後まで主人公の成長や心の変容が殆どないので人間ドラマとして大いに幻滅した。
終盤に台詞でベラベラと首謀者から説明された陰謀の浅薄さには苦笑。染谷将太と奈緒の恋愛パートも薄っぺら…2人が運命を受け入れるまでの心の描写が呆気ない。これならいっそない方が良い。アクションもVFXもなんだかゲームの映像のようで好みではなかった。
エンディングで掛かるBUMP OF CHICKEN の主題歌「邂逅」だけはカッコよくて救われた。
いち麦

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