トムトム

陰陽師0のトムトムのレビュー・感想・評価

陰陽師0(2024年製作の映画)
1.2
こ・これは……

今年ワースト級がやってきた〜。

山崎貴監督の妻でもある監督・脚本を務めた佐藤嗣麻子監督。

「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」の脚本、「Kー20 怪盗二十面相・伝」の監督・脚本としても一部で名を馳せている佐藤監督の新たなる伝説の1ページになったのではないでしょうかね。


夢枕獏ファンということもあって、安倍晴明と源博雅のコンビ物は夢枕獏の小説のイメージが強すぎてそれ以外は受け入れられるの難しいです。

こんな1人チート能力持ちながら「やれやれ陰陽師なんて興味がないんだけどね」、「あれ?俺もしかして何かやっちゃいました?」みたいななろう小説の主人公みたいな安倍晴明は解釈違いすぎてダメ……

って、これ夢枕獏の「陰陽師」が原作で原作者監修なん?
……このイキリボーイがあの晴明になんの?

マジでやめてくださいよ。

もういいところ探すのが難しすぎます。

開始20秒でわかる超ダサCGは全編にわたって続きます。
本当に白組がやってんの?
アカデミー賞受賞後の最初がコレはキツイって。

開始早々の「当時の言葉では何を言っているのかわからないのでここからは現代語で。」というクソ寒いメタナレーションがあったとしても、セリフの扱いが無頓着すぎます。

あえて現代的なセリフで軽みを出すという意図はわかりますが、「催眠術」「深層心理」「ガラス瓶」「統計学」とかはダメでしょう。
平安時代感が台無しです。

まあタイトルの「陰陽師0」の時点でダメですけど。
ゴジラが-1.0やったからゼロで行ったろみたいな感じなんでしょうかね。

中国で夢枕獏の「陰陽師」が大ブームになって映画やドラマが作られまくっているので中国向けを考えているのかもしれません。

中国版映画の中華ナイズされた平安京はそれはそれで面白いのですが、なぜ日本制作の本作が中華ナイズされたデザインなのかはいまいちわかりません。

陰陽寮の内部のデザインもこういう時代感覚無視デザインは嫌いではありませんが特に惹かれるわけでも効果的に効いていたわけでもありませんでした。

キャラクター全員の好感度が低すぎて誰も好きになれません。

山崎賢人本人に罪はありませんが、また山崎賢人?と思ってしまうのは事実。

この晴明のやれやれ感満載のイキリは観ていてキツイ。
しかも少年でもなく27才やで自分。

今作の呪や陰陽道の解釈の仕方が決定的に自分に合いません。

無いものをあると言って不安を煽り、薬品を使った催眠術や暗示で精神をコントロールして肉体に影響を与えるのが呪ってどういうことやねん。

原作を全く無視して脚本を書くのはヤマトでもK-20でもそうだったので仕方ないのかもしれませんが、それやったらオリジナルやれや。

皆がインチキの占いに頼る中1人科学的捜査で犯人に迫る晴明のイキリは共感性羞恥を感じるほど恥ずかしかったです。

そして最後は陰陽道はインチキだけど実はただ1人本物の呪術を使える俺最強!みたいな話でしたね。マジで。

染谷将太演じる源博雅もただのボンクラですし、ヒロインもいつも頭に花が咲いていて花かっぱみたいだし応援したい奴が本当に1人もいません。

ツッコミどころ満載の中国版「陰陽師」の方が面白いってどういうことなんでしょう。

まあ「寄生獣」も韓国版の方が、「どうする家康」よりもアメリカ制作の「SHOGUN 将軍」の方が面白かったですし仕方がないかもしれません。

白組なのにCGがダメ。
園村健介がアクション監督なのにアクションがダサい。
夢枕獏原作なのに設定無茶苦茶。

こんなに人材が揃ってこの出来って……
トムトム

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