矢吹

無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語の矢吹のレビュー・感想・評価

4.2
まじで、人助け。
これだけが人生かも知れない。
なんと、ここに答えがあったか。
パーフェクトデイズとボルテックスで、
良くも悪くもな諸行無常に、ほんのりと寂しさを感じて生活していたところに、まさかの、
世界の巨匠に対して、
カウンター気味に入ったサムソンドライバーで、根室からの愚者が全てをひっくり返した。
プロレスバカの愚か者。
妻に逃げられても、リングに囚われたエンターテイナー。スーパーなスター。

死んだら自分の手元になんか、
所詮、何にも残んないだから、
生きてるうちに、他人に恩を売って仕舞えばいいのだ。
損して、徳を取るのだ。
まずは、大いに、そんな心構えでもいいと思うし。
サムソンさんは、本当に人を愛して愛された人なんだよな。
あんな立派な人はいない。
自分の作品をバシバシ作ってメッセージを届けるのは、偉大で、才能に溢れた人間にしかできないことだけど、
結局、こう言った形でドキュメンタリーとして、誰かに残される、勝手に他人に語られちゃうのが、本来の偉人なんだし。
団体作ってる時点で既に化け物な訳だけど。
私のような小市民はですね、
現状、多額の寄付も、たくさんの人の目について、大いなる感動を与えることもできないかも知れないけど、
近くにいてくれる人、1人2人の悲しみをちょっとは引き受けたり、大きな痛みを一瞬預かるだけでも、できるはずだ。
それで一晩分でも楽にさせられたら、
その自己満足は、俺に合ってるかも知れない。
いいタイミングで、また、見られた。

4コマ劇場の演出は、
映画でやる意味あんのかとか、
安易なギミックや他人本意のカス行為やとか、ちょっと思ったりしたけれど、
最後は、シリアスになりがちなお別れに、サムソンらしいコメディタッチと、親しみやすいハードルの低さが、なんか、スイングして、ちょっと、めっちゃよかった。
全体的にも、かなりテレビっぽい。
テロップとかスーパーとか。
もちろんその分見易いし、序盤はほんとに特番って感じですわ。
その流れで、
どんどん、みんなの関係性と、サムソンのやってきたこと、人柄が紐解かれていくにつれて、
終に、
泣いちゃった。
葬式とか、メッセージとか、ミキティコの涙に。
ほんで、嫁はんもめっちゃいい。
すごく自然体に、若干変わった人かなって感じもしたけど、それこそ。素の人間が見られた。
なによりもですね、
四角のリングの中って、何をも起こせる、魔法の場所なんだな。いいなあって、
粋だなあって、感傷にどっぷり。

グループショットがかっこいい。
現地集合とかじゃなくてさ、何事もさ、
駅とかで、ちゃんとみんなで集まってから、
一緒に動いた方がいいんだよね。合コン以外は。
あと、プロレスのドキュメンタリーは、ナレーションを安田顕さんが独占してんのね。

笑顔にするためにってさ。
エンターテイナーですよ。
見習って生きたい。
でも俺はヒールだからさ。
やり方は色々あるはずなんですよ。
矢吹

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