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ゴールド・ボーイのowlマンのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

義父母を崖から突き落とし殺害した男“東昇”は、完璧な計画なはずだと思っていた。少年たちに目撃されているとは知るまでは...。

ポスターや予告編からでは、
あまり期待をしてなかったが...裏切られた。
サスペンスやミステリーは、
なるべくは情報を一切入れないで(予告編は仕方ない💦)行ったので、より一層、楽しめましたね。

原作や中国で作成された版は、
未読・未視聴ですが、本州とは離れている島国の沖縄という場所、特にコザという米軍の基地に近く、統治下の雰囲気も残る通りや、少し寂れた町並みも物語が凄くハマっていたように思いました。

あっ!殺害現場地元かもっ!?とか、
沖縄住みからすると見覚えがある場所も多くみれて、本当に情報入れずにいったのでテンションが上がりました。

物語の始まりから、学校での同級生の自殺といった“歪”が垣間見れて、メインの“東”の事件が始まり、終わるまでずーっと脳の片隅に居座わっていて、それが徐々に明確になっていき、物語の不穏さが増していくのが、良かったです。

“東 昇(岡田将生さん)”の、
目に灯る“闇”がもの凄く怖いが惹き込まれる演技でしたが、爽やかサイコパスがこんなに似合う人は中々いないですよね。

“安室 朝陽(羽村仁成さん)”も良かった。普通の中学でありながら、ギラギラした“闇”の部分を完全に隠せきれない感じも“物語”の先を読めなくしていましたね。末恐ろしい...。

ヒロインを最低な義父から守ろうとしたり、最後にデートしたりと...ヒロインを最終的な計画の“駒”として扱っていたのか...愛していたのか...“朝陽”は好きだった人も以前に手にかけている...手紙もすぐに燃やしている...本当に心情が読めなくて、目を閉じるあの一瞬だけ“人間”の姿が見えたように思えますが...一番可愛そうなのは友人ですよね💦

久々に良質な“サスペンス”を観れました。

信号機を向いあってのシーンは、次なる手を“青”に変わるまでに“計算”を巡らしているのかな?とか空を渡る飛行機の音が今までの日常に響く“不協和音”だったり“厳(江口洋介はん)”と対面して初めて感じる“恐怖・動揺”なのか?と色々と妄想してしまうラストで、倖田來未さんの歌が始まるまでじっとりとさせてもらいました。なぜ倖田來未だったんだろう?


広中杯(数学オリンピック)で、
2位という成績を残した事が誇りであり、悔しさを持つ“東”、そんな計算高い“東”よりも、相手の一歩先を読みより狡猾でより計算高い“朝陽”は、広中杯で優勝しているって事は...“2位(銀・シルバー)”を上回る頭脳をもつ“1位(金・ゴールド)”の少年だから、『ゴールド・ボーイ』ってことかっ!!...なんてひとりで納得して悦に浸ってたら、全然違いましたね💦お恥ずかしい//

ラストに続編(?)の香りを残していたので、江口洋介さん演じる“厳”も相当頭が切れる人だと思った。勝手な妄想では“朝陽”に数式を出した時に、答えを理解していた事を考えると...“広中杯”で優勝した事がある?って事は“ゴールド・ボーイvs元ゴールド・ボーイ”の頭脳戦になるのか!?

“夜明け前が一番暗い”って言葉が、
『“朝陽”が“昇”終える時に一番の“闇”が現れる』に感じとられる映画でした。
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