櫻イミト

日本の熱い日々 謀殺・下山事件の櫻イミトのレビュー・感想・評価

3.5
youtube番組で、てらさわホーク氏が一番好きな映画として挙げていたのを見て鑑賞。

終戦直後の1949年に起こった「下山事件」の謎を、時効まで15年以上追い続けた新聞記者のノンフィクション。1981年の映画だがモノクロで制作されていることが、当時の記録フィルムとの融合に功を奏している。仲代達矢の熱演は個人的ベスト。熱気に満ちた新聞社の様子や捜査で巡るロケーションがしっかりとした映像で描写され楽しめた。ストーリーに沿って1964東京オリンピックまでの大きな出来事も映し出され日本の戦後史を俯瞰で感じさせてくれる。

戦後の日米間の権力の闇は続き、近年も「新聞記者」(2019)が制作された。電通がらみでは絶対に作れないこのような映画が、今後も制作される環境を望みたい。

熊井啓監督は「サンダカン八番娼館 望郷」(1974)も好きな映画だったので、この機会に他の作品も観てみようと思う。

※ブレイク前の役所広司がチョイ役で出演している。さすがに若い!
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