さすらいの旅人

アメリカン・フィクションのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.8
★この映画のラストはどうする…。なるほど完璧だ。
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/シネスコサイズ】

この黒人作家の人間ドラマは心地良くて、気分が晴れるような気持になる。
軽いジャズが流れるおしゃれな感じがまたいい。主人公の名前がモンクなのは有名なジャズマンの名前と同じ。偶然ではなく彼をリスペクトしているに違いない。映画全体の雰囲気が生き生きしている演出は好感が持てる。

「人間生きていると何が起こるか分からない。」黒人作家は複雑な家族を持つが、その信念はゆるぎない。思ってもみない事が発生しても、何とかしのいでゆくその生き方に共感する。人間悪い事ばかりではないと割り切ることも必要だ。この映画のラストが面白い。すべての欺瞞から解放される爽快さは久しぶりに感動する場面だ。

本作は本年度のアカデミー賞5部門にノミネート(脚色賞受賞)されている。クスッと笑える作品なので人間ドラマが好きな方にお薦めします。