さすらいの旅人

ある閉ざされた雪の山荘でのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.3
★ここで最高のウソをつけるかな
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/ビスタサイズ】

今注目の若手俳優多数出演の東野圭吾原作のミステリー映画。
山荘を舞台にしたワンシュチュエーション映画だが、ミステリー感覚は残念ながら少ない。若手俳優の合宿的雰囲気で、サスペンスフルな場面も少なく、大甘な展開と言える。最初に全員に配られるアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」は、これから始まるドラマを暗示する小説であり、ミステリーファンにとってはネタバレとしか思えない。

ドラマ全体のストーリは悪くないが、現実的にあり得ない場面が多数あり、ドラマに集中できないのが悔やまれる。題名の雪の山荘の雰囲気は重要視されておらず、もっと大自然の中の閉鎖的な空間を描いてほしかった。あと、演劇的な手法を描くためか殺人シーンも迫力なく、恐怖心も沸いてこなかった。映画なのだから、観客の度肝を抜くような演出をして欲しかった。

原作は未読だが、もっとオリジナリティーを前面に出したほうが、ラストの感動がもっと映えたような気がする。