KANA

いますぐ抱きしめたい 4Kレストア版のKANAのレビュー・感想・評価

3.7

ウォン・カーウァイの監督デビュー作。

香港の暗黒街でヤクザな暮らしを送る若者の友情と悲恋の物語。

ネオンアート
スローモーション
ドラマチックな音楽
湿度を感じさせる空気感

この辺りがすでに独自の世界観を確立してる。
屋台など雑踏や、レトロで薄汚れた部屋の感じも。

アンディ・ラウ、今まで観た出演作品の中で一番カッコイイ。
マギー・チャンの肌がすべすべで(特に腕)、陶器の様に美しい。

二人のラブシーンは『トップガン』でお馴染みのTake My Breath Away『愛は吐息のように』(広東語カバー)がクサいほどムーディーに効いてた。
カーウァイさん、パクった?w
いずれにしても80sな時代感としていい。

そんなラブストーリーもちゃんとありつつ、軸は任侠もの。
因縁、抗争、バイオレンス、義理人情。
カメラワークもハラハラするしテンポもいい。
ヒーローでもマフィアでもない、片隅のチンピラの世界なんだけど、兄貴分、弟分の絆にグッとくる。
弟分のジャッキーがどうしようもない荒くれ者で、でも見捨てられなくて…。

監督のその後の作品を知ってるとやや荒削りな感は受けるものの、映像はすでにアーティスティック。
刹那的な疾走感が鮮烈な香港ノワールだった。
KANA

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