ヤマギワ

恋するプリテンダーのヤマギワのレビュー・感想・評価

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
2.0
私は齢30を超えるがラブコメが好きだ。ラブもコメディも好きだ。
何歳になってもすれ違ってしまう男女にヤキモキしたいのだ。

しかしどうして、この映画はあまりに合わなかった。話し合えば2秒で解決するすれ違い、人の迷惑を省みず下半身の赴くままに動く男女。この主人公たちをどうしたら好きになれるんだろうと、頭を抱えた。
ラブコメなんて大体そんなもんだろう、という声が挙がりそうだが、断固としてこう言いたい。

否!否である。ラブコメとはキャラが命。彼らに愛着や共感を見出すことで、初めてヤキモキできるのだ。ところが恋愛以外で悩みを持たない彼らにどう共感すればいいのだろうか。唯一シドニースウィーニー演じる主人公は、自分の将来に悩んでいたが、あくまでその悩みは後半の起爆剤としてか意味を持たず、その悩みは特に解消されぬまま終わった。恋愛がうまくいけば万事OK、それが人生だ。
コメディ部分も、令和ではクレヨンしんちゃんでさえ自粛する、裸体を見せて笑いを取るギャグが頻発。乾いた笑いが止まらなかった。

見ている最中、何度席を立とうと考えたか数えきれない。これから見る人にはシドニースウィーニーが冒頭に乳を揺らしながら走る様子を見て、自分がどう思うかで、席を立つかどうか判断することをオススメしたい。それがこの映画のだいたい全てだから。
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