カタパルトスープレックス

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

4.2
浅野いにお原作漫画の劇場アニメ化作品です。原作未読。

浅野いにおの『ソラニン』が漫画生涯ベスト10に入るくらいすきで、『素晴らしい世界』も『虹ヶ原ホログラフ』好きだった。でも、『おやすみプンプン』でついていけなくなり、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』も気にはなっていたものの読まずにいました。

そして映画化。漫画を読むのはしんどいけど、映画だったら。

ボクは一話完結しない映画作品はあまり評価しません。『スターウォーズ/帝国の逆襲』もそれほど好きじゃない。もちろん、例外もあるのですが、一作で完結してくれる作品の方が好み。本作も前編と後編で分かれているので、あまり期待をしていませんでした。ところがすごく面白かった。何なら、もう一回と言わず、あと何回か観たい。

まず、本作はちゃんとボクが好きな浅野いにお作品でした。キャラクターがとてもいい。主人公の小山門出(幾田りら)と中川凰蘭(あの)を中心とした設計なのですが、周りの友達もちゃんとキャラが立っている。これはさすが浅野いにおです。そして、プロの声優じゃないけど幾田りら(YOASOBIのikura)とあのがピタッとハマっていた。客寄せパンダではなく、配役としてハマっていた。声優で言えばこれがTARAKOの最後の作品になるのかな……

テーマはとても複雑です。「人類は善なのか悪なのか」の縦軸があり、「友情」の横軸がある。その問いは見えても、答えは見えない。おそらく後半でも見えないのではないだろうか。原作を読んでないから分からないけど。でも、その答えが必要ないこともある。その問いかけと派生する出来事からのさらなる問いかけが大事。

ストーリーは時間軸が色々あって、複雑な構成がとても楽しめました。浅野いにおの原作のストーリーもいいのでしょうが、脚本の吉田玲子のアレンジもよいのではないかと言う気もする。