ゆめちん

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のゆめちんのレビュー・感想・評価

4.5
レザボア・ドッグス デジタルリマスター版
 
何度か観ているが映画館では初めて。タランティーノの監督デビュー作品をスクリーンで観られるとは思わなかったので、デジタルリマスター版でのリバイバル上映に感謝。
昨年のドキュメンタリー(クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男)を観ていたので、また違った角度から楽しめた。
 
宝石店を襲撃するために集められた黒スーツ姿の6人の男たち。彼らは互いの素性を知らず、それぞれ "色" をコードネームにして呼び合う。計画は完璧なはずだったが、現場には何故か大勢の警官が待ち伏せており、激しい銃撃戦となってしまう。
 
"Like a Virgin" の解釈から始まるダイナーでの雑談シーンから、"Little Green Bag" が流れ、黒いスーツとサングラスで颯爽と歩く男たちの姿からのタイトルバックまで。この冒頭のわずか十数分間の映像であっという間に心掴まれる。何度でもこのオープニングを観たい。
 
全体的に粗削りな部分はあるし、低予算なのも伺えチープさも漂うが、そこが逆に作品の雰囲気と上手く噛み合い旨味に。時間軸をいじる計算された構成、容赦ないバイオレンス描写、本編とは全く関係ない会話など、タランティーノの原点をしっかりと感じ取れる作品になっている。
 
そして何と言っても、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、スティーヴ・ブシェミ、マイケル・マドセンなど、曲者揃いの豪華俳優陣が魅力。当時は無名だったが実力のある彼らの競演を観るだけでも価値あり。

それにしても、強制的にコードネームを決めないと、全員 "ブラック" がいいと主張するのは分かるが、 "ピンク" にされたら私でも変えてくれと文句言うな。
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