このレビューはネタバレを含みます
プロレスは全く詳しくないので特に調べず観に行ったら、こんな話なのかと驚きました。
いろいろあって、もうこれ以上は何も起こるまい、と思ったところでさらに悲劇が。
そしてエンドロールで哀悼をささげる人数がひとり多いことに気付き、後で調べて現実にはさらなる悲劇があったことに絶句。
悲しいことに、「エリック家の呪い」とは単なる超常現象的なものでもないのでしょう。
苦しい時、つらい時にそういった感情を表に出すことを良しとされなかった男たち。
「自分たちで解決しなさい」と言われ、他者や外部に助けを求めるということができなくなった男たち。
そんな彼らが辿った道は、必然というにはあまりにも酷ですが、いつか何らかの形でこの崩壊は訪れたのでしょう。
暗くつらい話ですが、役者たちの肉体的、精神的演技の説得力が物語の吸引力となります。
あっ、足が治った!歩ける!からの、兄弟たちが再会&お兄さんに初めて会うシーンは涙が(ケビンが「こうなっていたらいいな」と想像しているのでしょうか)。
ラストのあの俯瞰視点は、いなくなってしまった「彼ら」が見守っている、という意味なのかなとも思ったり。
エリック家のお家芸、アイアンクロー。
その手が押さえつけていたものとは。