ふわふわ

アイアンクローのふわふわのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.9
プロレスファンなら有名な"鉄の爪"フリッツ・フォン・エリック一家の物語。

プロレスは子供の頃プロレスファンだった父がテレビで見ていたのを一緒に見ていた程度の知識しかありません。
が、そんな程度の私でも心に来る映画でした。

鉄の爪を必殺技に使う父は4人の子供達をレスラーにしてプロレスの頂点を目指します。
実話に基づいた映画ですが、wikipediaによると6人兄弟だったらしく、幼少期に事故死した長男には触れていましたが、1番下の6人目のクリスは一切出てきませんでした。(いない事になってる?)

一家は家父長制バリバリで、兄弟達はプロレスで切磋琢磨しつつ頂点を目指しますが、ある出来事により"呪われた"ような出来事が次々と一家を襲う…。

昔のプロレス映像を再現していて、プロレスファンにはたまらないだろうなー。
ブルーザー・ブロディいたなー。
途中チャンピオン(名前失念)が出てくるんだけど、ケビンへの煽りが凄くて印象に残ってる。

次男なんだけど、長男としての役割を果たすケビン中心に物語が進みます。
ケビンはムキムキで凄い筋肉!!
だけど裏腹にとても繊細で内気な性格がザック・エフロンの"儚げな目"でよく表していました。

プロレスラーという職業はなんて過酷なんだろう!
痛みや辛さを何でも無いように奮い立たせてリングに上がらなくてはならない…。
兄弟があれだけいたら、性格も違うし、好きなことも違うだろうに、"家族"という枠の中で生きていかなければならない辛さ…。
"男子たるものこうでなくてはならない"という中で生きざるを得なかった"男性性"を感じました。

兄弟愛も感じましたが、その兄弟愛を作ったのは皮肉にも親。
かなり家父長制で嫌な気持ちにしかならなかった。母親も無関心だし。
でも今の時代にはそぐわないだろうけど、昔の時代の親はこういう人は多かったと思う。
やはり子供を育てるにはひとりひとりをみてあげる事がだいじだな…と思ったし、ケビンが1人生き残ったのは家族以外の人(妻)が支えてくれたおかげでもあるんだろうな。

最後のケビンの子供の言葉が胸に突き刺さる。
男の人だって泣いてもいいのよ…。
と思わずにはいられませんでした。
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