さすらいの旅人

隣人X 疑惑の彼女のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)
3.3
★蛍光管の点滅には注意しましょう
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/シネスコサイズ】

登場人物たちに共感できないのは何故だろう。
要するに宇宙難民Xの詳細が説明されてないのが問題だと思う。正体不明の人間そっくりの宇宙人が日常生活に紛れ込むストーリは珍しくはないが、目的が良く分からないためドラマに没入できない。日常性を強めるために意図的に説明しないのかも知れないが、それはシナリオの構成で上手くまとめて欲しかった。

Xかも知れない良子(上野樹里)とそれを追う太郎(林遣都)の攻防は面白いが、両者の演技は地に足がついてない感じがする。そして太郎が勤める週刊文春ぽい出版社はパワハラの温床のブラック会社だし、良子の実家へ取材に行くマスコミは度を越した取材で明らかにコンプラ違反。日常と言いつつ昭和的演出はどうも時代遅れでいただけない。あと、ハラハドキドキのサスペンス感が希薄なのも残念であった。

日常的たっぷりのカメラと色彩は良いと思うが、肝心のVFXがチープで興醒めであった。ただ、台湾女優のファン・ペイチャは熱演で好印象だった。