【第96回アカデミー賞 国際長編映画賞ショートリスト選出】
アカデミー賞アルメニア代表として出品され、ショートリストに選出された作品。本作の主演もつとめたマイケル・A・グールジャン監督がソ連の支配下にあるアルメニアに帰ってきたアメリカ国籍の男性を描いている。
良くも悪くも俗っぽい映画。分かりやすい演出で紡がれる苦難の男性像はアカデミー賞が好きそうな感じある。ノミネートはされなかったけどショートリストに残っただけで大健闘という感じ。
いいところは分かりやすいことかな。展開も描写も。アメリカ国籍なだけでスパイ扱いされ投獄される男性というテーマは昨今のロシアによる侵攻を彷彿とさせる。
ただ、映画として上手いかと言われると全く。ひっきりなしに流れる音楽がうるさく、ご都合主義な感動描写が押しつけがましい。
アルメニアでこの映画がどういった位置を占めるのか、アルメニアで他にどんな映画がつくられているかは分からないが、上手い映画では決してないのは事実。
戦争×感動ドラマという感じで外国にウケやすい題材なのは分かるが、クオリティ的に疑問の残る作品であった。分かりやすい映画が好きな人には刺さる一本かもしれない。演技はよかった。
