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DOGMAN ドッグマンの42のレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
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犬はもちろんだけどケイレブ・ランドリー・ジョーンズにどんどん惹かれていく。なんなんだ。すごい。かっこいいとか美しいとか一言では言い表せない。吸い寄せられていく感じ。

ダグラスの絶望と犬たちの共鳴
それでも共に生きていく。救いはないって分かっているみたいだったけど、神に何度も問いかけて生きてきたんだろうなと。絶望しても生を放棄しない。私は神を信じているけど神は私を信じていますか?
犬たちと分かり合いたくてもきっと彼らのように全てを分かり合うことはできない。それが彼の数々の絶望と引き替えに与えられた賜物だったとしても、彼の苦しみがあってよかったことにはならない。苦しみから得た経験を賛美するのは好きじゃない。本人であっても。どんな苦しみも肯定してはならない。仕方ないのだと泣きながら受け入れることはあっても。

人間が手を差し伸べなかったから犬たちが寄り添い、献身した。相手は理不尽なことに関係のない人を巻き込もうとしていて、身に危険が迫っている。何もしなければ殺される。それを自分たちで防衛して何が悪いんだ。それでも人間は手を差し伸べない。
ラストシーンを考えている。膝から崩れ落ちたような感覚になり、涙と言葉にできない嘆きが残る。

犬すげえ!ってなるし犬かわいい!ってなるんだけど、ダグラスという人物がでかでかと真ん中にいてそれを囲む犬たちという構図がすごく良かった。こんなに印象強く人間が映されていることに時間が経った今も驚いている。
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