これ見るためにApple TV +に入った。はじまりのうた、シングストリートで行けるとこまで行った感はあり、安定のジョン・カーニー節ではあるが、予想を超える驚きはなかった。
音楽を視覚化し、2時間かけて最高のMVを作る技にかけては当代切っての職人だと思っている。YouTubeのギター動画やガレージバンド、自作のMVを作る若者といった今っぽい要素(にしてもやや古い?)を入れつつ、重苦しい現実を映像演出が乗り越える鉄板の演奏シーンがある。
話のパターンが変わらないのが流石に気になってきた。家族関係が曲作りを通じて改善し、サイドストーリーで恋愛要素がある。母親目線なのは新しいが、息子がなぜ非行を繰り返すのか、息子の掘り下げが弱く、音楽の勢い不足もあって、図式的なキャラ配置が物足りなく感じられた。失恋展開も映像にして欲しかったところ。リアルと配信の間、歌っている間だけは同じ空間にいられるMeet in the Middleは、自分の求めるジョンカーニー感があった。