あさ

市子のあさのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
2.8
いや〜薄々期待して寝かせてたけど、想像よりも薄〜く感じてしまった。戯曲と聞いたらフーンとはなるけど、映画にして何が良かったのかと言われたら。多分オリジナルを見た方がこの物語は生きていたんじゃないかな、とも思ってしまった。(決定的には話聞いた長谷川本人が号泣してるの見て冷めすぎて冷めた。)不条理の胸糞感ではなく、何だろうな、それにも勝るお涙感。そして女性の描かれ方とそれを守ろうとする男性のあまりにステレオタイプな気持ち悪さ。舞台設定上、それはまあ必要なもんで突っ込んでも意味がないでしょうけど…。

→少し時間をおいて考えた。この物語、序盤から小学生の性加害から始まる。つい今日、小学生がタブレットで盗撮したというニュースがタイムリーに流れていたけど。中学だから高校だかに上がっても、彼はヤらせてくれない恋が冷めただの言って家に行かせてとせがんだ。ガバガバ性教育。その癖、SOSを出したら尻尾巻いて逃げた。2年も付き合ってたのにね藁。極め付けにヒーロー男。ああ、なんかコレで観客に100伝わるのか?て話しながら帰ったけど、その有害さは意図して設定されてる。どれだけ長谷川と幸せを掴もうが、市子の記憶にある男性ってかなり悪どい存在としてこびりついてしまったのではないか。まあ何より、彼女が欲しかったのは「愛」ではない。この世に「存在」することに尽きるから。自分一人でも歩いていけるように。とはいえ、こんなに長く捕まらない見つからないのは話がうますぎる設定ですがな。
殺人犯罪の背景って、結構犯人の生い立ちとか大きいと思うんだ。だからといって何をしても許されるわけはなく殺人は罪。しかし私が市子だったら麻痺るな、という気持ちもある。環境って本当に毒だから。
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