このレビューはネタバレを含みます
杉咲花の怪演が素晴らしい。圧倒的な強度でやりきっている。
若葉竜也もよし。
そもそもを突っ込み出すともうちょっと正直に向き合ったら話早かったのでは...と思ってしまうのだが、その人の地獄はその人しかわからないし、その人のアプローチでしか前に進めない。絶望した他者に共感したり落とし所を作っていくなんてことは不可能なのだ。その突き放しに一般観客は愕然とする。
とにかく追い詰められた杉咲花の演技たるや、それに対し腹を括った表情になっていく様も含めて素晴らしい。
刑事役で、宇野祥平が出ているのもにくい。
「罪の声」ではまさに不運にも様々なものを奪われてしまった役を演じた彼が、市子の捜査をしているという循環。