ゾロ

市子のゾロのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

凄いの観たぞ

ネタバレ無しのレビュー予定も
上手く表現出来ず
大分中途半端なメモ書きになったうえ
ネタバレ有りになってしまった


法律、倫理、正義、規範
全てにおいて許されない
だけど、誰が断罪できるのだ?

市子の人生を義則と一緒になぞったから
人物像が凸凹すぎて…

 『会って抱きしめたい』

あの言葉から
その気持ちがひしひしと伝わったし
同調した

 あの時、市子は確実に存在した

誰もが当然に持っている権利を持てない
彼女の苦しみは計り知れないけど、応援したい

今もどこかで、諦めず生き続けてほしい



暗転と時系列の前後が、多いから
物語の把握に前半はバタバタと忙しい

逆に後半はスローダウンして
重い話と初々しい市子と長谷川が
じわーっと沁みる

説明しすぎないから
あーそう言うことか…が
後半、怒涛のようにある

汗、涙、海、雨、水槽

水の演出と

目を隠して立つシーンは印象的

黒い服が助長するように
光のあるところでは顔を出せない…
もう、市子では居られない…
そんな悲しい失意と決意を連想してしまう



SNSで散見する裏アカや実在の怪しさ…
表の世界に居ない、居れない、存在しない

そんな闇も少し感じた…


本作は自分の事も話してないけど
相手の事も深く聞かなかった彼氏が
失踪した彼女を探す

此方も何も知らない市子を追いながら
色んな情報にアンテナを立てる

不思議だよね
色んな映画の事が浮かんだ

存在のない子供達、怪物、さがす、ある男



冬子と北のラストシーンがない事
説明不十分と感じるか?
市子に寄り添える理由なのか?
知らない事が幸せな事もある…



日々の生活を脅かすのは、異端や異質である
法律やルール、暗黙の了解は安心安全の為
だから、自分に被害があるかもしれない
ゴシップや不快な感情に激しく反応する

生活を守る為の社会制度故に堕ちてしまった
溢れてしまった人も存在する
彼等も懸命に生きている
ルールや規則を正義に杓子定規な対応
例外を認めない社会も干渉しない隣人も
見て見ぬ振りも関わりを拒絶する人も
全て、生き辛い

どこか、やはり人は繋がっていたい

これが、好きと言う事なら…という
ラストの市子の想いは目頭熱くなった



ずっと、市子は逃げ続けていく
でも、生き抜くための行動であり
「市子」であることを諦めない

人は持っているものの価値を理解してない
当然の権利…それは本当に当然なのか?

改めて何が大事なのか?
問われている気もした



理解しきれていない点がいくつかある
夢を諦めた理由…描かれてないのか?
見つかったからなのか?
なら、何故潜伏先にしたのか?
最初から、目的だったのか?

悪魔と言われた時の ニヤリ



んー
もう一回見直したい

時系列をちゃんと整理して
彼等の思考をちゃんと把握した上で
もっと市子を知りたい


誰の立場か?
長谷川君の立場に寄り添い見えた景色
他の人の景色は全然違うのだろう


杉咲花さん 素敵だわ
ゾロ

ゾロ