社畜の限界ヴァカンス、これもある意味不自由についての映画。
ロジエがなぜ船にこだわるのかといえば、そこには都会的なルールも「壁」という物質的な隔たり存在しないし、他のどんな交通機関よりも素肌で自然を享受できるから。しかし自然と自由を履き違えた結果、ロビンソンというよりノスタル爺になってしまう。
海のグラデーションや飛沫から一瞬浮かび上がる虹など狙って撮るのが難しい被写体を強調せず飽くまで偶然として処理する慎ましさが良いし、途中からキャメラをただ向けるだけという贅沢な時間もあった。
なぜかジャック・タチの短編(詐欺ツアーする話)とか、塾の合宿で山奥に幽閉されて頭おかしくなった友がカナブン食ってたこととか色々思い出して楽しかったけど、やっぱ長いよ……。前半の黒人女はただの性癖かって絶対なる
ただ文明についての皮肉より、こんだけ色々やっといて最後こち亀みたいな終わり方すんのが最高だったなぁ
