ゆめちん

ダム・マネー ウォール街を狙え!のゆめちんのレビュー・感想・評価

4.0
ダム・マネー ウォール街を狙え!
 
株にあまり興味がないし、アメリカで起きた "ゲームストップ株騒動" のことも知らなかったが、逆に知識が全くない状態で鑑賞できたので、最後までしっかりと楽しめた。
 
世界的パンデミックに見舞われた2020年。平凡な会社員であるキースは、倒産間近のゲームストップ社の株に全財産を注ぎ込み、同社の株が過小評価されていると、動画配信とインターネット掲示板で訴える。
 
ウォール街の富豪たちに立ち向かう庶民たちという構図が心情的にも共感しやすい上、さらに年齢も人種も立場も違う登場人物たちのキャラがしっかり描かれているので、最後まで物語に釘付けに。
 
最近の実話ベースの物語ということで、YouTubeを始めとする各種SNSが騒動に大きな影響力を与えているのが興味深い。随所に専門用語が飛び交うけど、同じく実際にあった "空売り騒動" を題材にした "マネー・ショート 華麗なる大逆転" のような難解さはなく、分かりやすく描かれているのも好感が持てる。

株の話なのにエンタメとしても面白く、コミカルとシリアスのバランスも見事。ただゲームストップ社側の視点があればより面白かったのかなと思う。
 
主役のポール・ダノの怪演は元より、セス・ローゲンがイメージと違う役を演じたり、常にマスクで半分顔を隠す店長がデイン・デハーンだったりと、登場シーンは短いが脇役たちの活躍も見逃せない。
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