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プリシラののんchanのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.7
エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラ・プレスリーが1985年に発表した自伝『私のエルヴィス』を基にソフィア・コッポラ監督が映画化。

1959年、当時まだ14歳だったプリシラは、アメリカ空軍将校の父親の赴任先の西ドイツでエルヴィスとパーティで出会い恋に落ちた。エルヴィスは既にスターだったが、アメリカの徴兵制度を特例なしで受け、アメリカ陸軍の西ドイツ基地の勤務だった。

10歳年上のエルヴィスはプリシラをお人形のように扱い"おチビちゃん"と呼んだりして、"機が熟すまで"の言葉どうりキス以上の関係は持たず、将来的に結婚しようと大切にする存在にして電話や手紙で連絡し合っていた。
エルヴィスは急がなかったものの、プリシラは待てずに両親の反対を押し切って大邸宅で同居を開始する。そして高校も一流校をなんとか卒業した。
一緒に暮らすといっても、バンドのメンバーやお付きの者たちから見守られながら、2人きりの時間も少ない。プリシラなりにエルヴィスの色に染まるよう自分を抑え気味に努力を続けた。
付き合いから8年後に結婚し、9ヶ月後に一人娘リサ・マリーが生まれるのだが、その関係は長く続かなかった。


バズ・ラーマン監督の『エルヴィス』はとても良く出来ていて堪能した。そちらを観てエルヴィスの苦悩を少し知った気がしているが、こちらはプリシラ側なので、どちらがどうという感情は持たないように観た。 
自伝も100%が真実かどうかも私たちは解らないし、映画として当然に脚色があるわけなので、とにかく冷静に鑑賞しました。

コッポラ監督はエルヴィスの楽曲使用が許可されない(エルヴィス・プレスリー・エンタープライズから拒否された為)中で、だからこそ、女性監督としてプリシラの気持ちに寄り添った形で、衣装、ヘアメイクにも力を入れて仕上げていたように感じられた。


エルヴィス役として、オースティン・バトラーは心身共に成り切り演じていたが、顔が似ているのは断然こちらのジェイコブ・エロルディ(26歳)だった。
ジェイコブはオースティンの後でプレッシャーがあったと思うが、監督の意向どおりに決して悪くなかった。

主役のケイリー・スピーニーは悪くはないのだけど、あまりにも小柄すぎて顔だけ映している時は良いのだけど、全体が映るとどうしても子供っぽく見えてしまった。身長差があり過ぎたのも原因かな?

・エルヴィス本人182.2cm
・ジェイコブ195.6cm
・プリシラ本人160cm
・ケイリー149.8cm


ただ引っ掛かるのは、昨年54歳で亡くなった一人娘のリサ・マリーがこの作品を「父を性犯罪者のように描いてる」と危惧して反対していたのは事実。(私はそんな風には取らなかったが)
母親プリシラと確執があったのは有名。
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