滝井椎野

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊の滝井椎野のレビュー・感想・評価

3.9
これでもう三作目ということで、すっかりお馴染みとなったポアロが本作もハマり役。
とうとう原作は参考程度の扱いになったということで、もはや古典と言って良いほどの本シリーズとしてはそれが正解ではなかろうか。

前作同様景観が素晴らしく、水の都ヴェネツィアの街並みが美しい。
ただ基本的に建物内で話が進む本作、前2作と趣が変わりオカルティズム溢れる建物内の不気味な雰囲気が良かった。

ミステリーを読んでいると思うのが、リアリティとオカルティズムの違いなんてものは実に曖昧なもので、あくまで主観でしかない。どちらを信じるかは個人の考えひとつなのだと思うと、何とも怖いような浪漫があるような……。
本作もまさにそんな感じの作品で面白かった。
滝井椎野

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