昨年公開されたドキュメンタリー映画「SHUNGA 春画」を観て、本作を知った。こんなに春画に魅せられた人々がいるのかと感心してから鑑賞したのは少し予備知識が入っていて良かったかもしれない。最初に春画にスポットを当て、このような作品を作り上げたのは画期的なことだろう。
春画の研究者である芳賀一郎と、ふとしたことから彼に学ぶこととなり、春画の魅力に魅せられていく春野弓子。
先生に出会うと心のリミッターが外れて自分を解放してしまう。
ちょっとわからない世界でもある。普通の感覚ではないのだろう。
途中からどういう感性なんだという不思議な世界観にも入っていくが、濃厚なシーンも特殊な雰囲気の中に溶け込んで、明るいラブコメディとも言える。ファンタジーの世界にいるような感覚も覚える。
「SHUNGA 春画」を観ていたので、現実とのつながりがあって少し面白い構成に作り上げた作品というのも理解できたが、これが最初だとちょっと刺激的だったかもしれない。
この伝統は歴史の流れの中で途絶えてしまったが、残されたものを愛してやまない人々が受け継いでいるのは感慨深い。
