イチロヲ

猫の舌のイチロヲのレビュー・感想・評価

猫の舌(1969年製作の映画)
4.0
妹の自殺に悲嘆する女性が、諸悪の根源となる好色男をマジックミラー室に監禁してしまう。放蕩男に対するリベンジ劇を描いている、ギリシャ産のエロティック・サスペンス。1975年度「Emanuelle's Revenge」(ジョー・ダマト監督)は、本作のリメイクとなる。

「複数の女とヤリ続けること」をアイデンティティにしているプレイボーイが、主従逆転の倒錯世界に落とされてしまう。浮かれ立った状態からの急転直下が鮮やかに表現されており、男優の役者力に感嘆の声が出そうになる。

本編の雰囲気は、ラウンジ系の音楽を基調にしたオシャレ路線。女優のヌードは、パイオツ&ヒップが限度(下腹部はNG)だが、女性同士の濃厚な愛撫シーン、アダルト・トイの使用など、先鋭的なポルノ描写が登場する。

クライマックスのホニャララで、男が昏倒・失神してしまうなどの、強大なショック描写を取り入れて欲しかったが、アイデンティティの崩壊表現は及第点の出来栄え。
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