駅を埋め尽くす人達の顔、彼らが必死に掲げる顔写真、顔、顔、顔、それがもうひとつのひまわり畑みたい。あのシーンではあえてカメラはジョヴァンナだけにフォーカスしないから、すべての顔のひとつひとつが例外なくすがるような思いで誰かの帰りを待ってることを突きつけられる。映画の主人公はジョヴァンナだけど、そういう意味では彼女は特別じゃない。みんな同じ強さでただただ一心に待ってた。
子どもの頃はこのシーン気にもとめてなくて、探しつづける妻と、もう帰ってこないであろうと思いながら送りだす妻それぞれの愛の強さにばっかり思いが向いてた。