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哀れなるものたちのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
マッド外科医デフォーに母親の身体を移植された(あってるよね?)見た目は大人、頭脳は嬰児のベラが、徐々に外の世界を知ってみたくなったので、ちょうどよく言い寄って来たラファロとフィアンセそっちのけで駆け落ちして、色々学び始める話!

エマストーン6割裸じゃねえか!とまず度肝を抜かれますが、ある程度ヨルゴス監督を追ってきた人間からすると、変な人が変な人のまま確固たる地位を気づいた結果、めちゃくちゃお金をかけて変なことができるようになった作品でした。この過剰なインモラルへの執着が癖になんだよな。寸胴に容赦なく化学調味料ぶち込んでくれる安心のラーメン屋さんです。

この、いつのどこなよこれは!と言いたくなる世界観は、何かみたい、と言うのは批評において超絶愚策なんだけど「火の鳥」ミーツ「ボーはおそれている」ミーツ「嫌われ松子の一生」ミーツ「(楳図かずおの)洗礼」ミーツ「ファイナルファンタジー」ミーツ...いやもうここまで来たら混ぜんな混ぜんな、もう何の味かわからんて。てくらい、混濁した作品でしたね。中盤若干のダレが発生して、今日中無理かも...てなりましたが、しっかり後半巻き返しましたね。

お金をかけられるようになったので「ロブスター」や「聖なる鹿殺し」のような、敢えて見せない美学みたいなのはなく、今回はガンガン見せてくる近距離パワー型の作品で、賞レースをかなり意識した一作にした感があります。個人的には前述の作風の方がトンでて好きなので、「キレイだけどちょっと長えかな」とわがままな感想も言いたくなりました。

製作も出演も、これで「世界の」がつくくらい力の入った作品でした。だっからつって是非おすすめ!て言われたら絶対そんなことはない作品。尖った大人の娯楽だわこれは。
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