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哀れなるものたちのshioのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

あらすじもろくに確認せずに、性行為シーンが多いというのとフェミニズム映画らしい、とだけぼんやりネットで情報を仕入れて見に行ってしまいました。テキトーでごめん。でもめっちゃ面白かった!!!!

映像もなんだか不思議な感じで現実味がない世界とリアルなところの間を行ったり来たりして楽しかった。嘘みたいな世界でワクワクする。魚眼レンズ?的な視点なんかすげー好き
モノクロから途中で色づくのも、ベラの世界が広がって生き生きと色づいて見えだしたってことなのかな、安直かもしれないけど。

内容についてちゃんと語れる自信がなくて、間違ったことを言ってるかもしれないけど私の思ったことを書いておきたい。
いろんな人(男性)が、未熟な女性であるベラに手を出したり口出ししたりするけど、成長していくベラはそれを跳ね返せる強さを手に入れていったんだなー、私も強くなりたい、と思った。書かされた感想文みたいでごめん。でもなんだか元気になるというか、ワクワクしたんです。
ダンカンは女性を性的対象や美貌とかの要素としてしか見てない人で、最初は冒険へ連れ出してくれたけど成長するにつれてつまらない人になる。ずっとやな奴。
ハリーは現実を見てるけどそれはどうせ変えられないと諦めてる人なのかな。明確な加害ではないけど、進んでいくベラに冷たかった。別れではいい感じになってたけども!こんなジャッジをしていいものかちょっと違和感あるけど、まだ希望のある人?だな、というイメージ。
自殺前の夫は、全部俺中心、俺の思い通りになれ!みたいな暴力の人。怖、最悪、とか思ってたけど、まさかのオチでビビった。ええんか。まあ成長するかもしれんからね……??
他にも娼館のボスとか同僚とかマーサとか、魅力的な女性いっぱいだったな、ダンカンに本投げ捨てられたベラにすぐもう一冊手渡すマーサめっちゃ良かった。最後家にあの一緒に娼婦やってた人もいたのなんか嬉しかったし、家族とか共同生活って自由じゃん、と思った。良かった。
マックスは誠実に向き合う人で、駆け落ちして娼婦やってた妻と改めて結婚するってすごい、かっこいい。
ゴッドウィンはなんか、そもそもの発端だしやってることめちゃくちゃだし被験体としてベラを見て(見ようとして)いたから全部肯定できるわけはないんだけど、それでもベラという一人の人間を見てた父親的な存在。かなり好き。被験体として扱おうとしてるからというのはあるとも思うけど、ベラは外に出してはいけないと強く縛ってたのとか、ちょっとパターナリスティックなのかな、と思った。
(関係ないんだけどあるゲームの好きなキャラにゴッドウィンが若干重なって見えて、めちゃくちゃ好きになってしまった。キャラ推しになる〜〜〜)

自分の性的欲求とか、性的な喜びに対して、もう少し素直に受け入れたい。序盤のベラほど全部おっぴろげにはもちろんできないけど。今の自分はあまりにも否定的すぎて、ベラが羨ましかった。自分のこととしての性的な事柄って扱いが難しい。

個人的にこないだまでコロナ罹って外出れなかったから、久しぶりの外出一発目がこの映画ですっごく良かったし元気になった。あわよくばもう一回観にいけるチャンスを窺っている。

追記: 2回目見に行った〜〜たのし〜〜〜
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