さー

哀れなるものたちのさーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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ババアのタトゥーがやばい(いちばんどうでもいい感想から記すスタイル)

主人公ベラの設定を聞いて、一体どんな演技で表現されるのか、想像できる人間がどのくらいいるんだろう。でもエマ・ストーンの演技は圧巻で、もう設定の通りでしかないからびっくりする。監督と同じ熱量で、俳優が作品を咀嚼し、牽引してる感じ…こんなに個性的な監督の映画の中で、自らの個性をぶちまけるエマネキにはひれ伏すしかない。

劇場公開作品にしては珍しく、モザイクたちが全然仕事してなくてリアルガチR-18だった。でも見てる感覚はラース・フォン・トリアー監督の「ニンフォマニアック」に近くて、「ヌードだから何?」って感じ。「生きてるだけで抑圧される女性」という印象も、同作に近いと思ったな。結局ベラは生きてるだけで、周りの人間が右往左往してると思うと滑稽だ。

ただ、描かれているのは、あくまで知性と教養を持ち合わせ、(歪だが)帰る場所と自分を待つ人がいる女性の、自由意志に基づく成長であって、嫌な見方をすれば「インテリの自分探し」にも思える。映画としては凄いものを見たと感じる反面、自分にとっては毒にも薬にもなってないな…と、自分に対してか作品に対してか分からないけど残念に思う。

アカデミー賞の作品賞はどうかな〜って感じだけど、美術や編集、衣装デザイン、音楽などの技術部門は総ナメするんじゃない?!マーク・ラファロにそろそろ受賞してほしい気持ちもある、、全部自業自得なのになぜか愛着が湧いてしまう男ダンカン…
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