りょう

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のりょうのレビュー・感想・評価

3.7
いつの間にか読書家になってた娘が原作を読んで映画を見に行きたくなったみたいでその付き添いで。

溺れた子を助けて亡くなった父親、それにより生活も苦しい状態のため、家族より命を助けることを優先した父に憤る百合。
母親とケンカして家を飛び出した後、たまたま入り込んだ防空壕で、戦時中にタイムスリップしてしまう。

特攻隊の彰に助けられ、陸軍の食事処で住み込みで働くことになった百合。慕っている彰が特攻隊として命を落とすことになること、そんな戦争をやる意味に疑問を持つ。

今見れば、80年も前のことだが、特攻隊として志願して命を賭けることが美徳とされる日本の雰囲気が恐ろしい。彼らにも家族や大切な人がいて、残される方にも大きい代償が残る。

自分の行きたい道を選んで生きることができる幸せ。進路アンケートでどう書くかを悩める幸せ。戦争なんていう愚かなものに脅かされることなく生活できる幸せ。当たり前すぎて毎日文句言いがちだけど、その当たり前を意識して、生きたい道を生きたい。

主演の福原遥は輝いてましたね。クックルンの時から見てたから随分成長したなと親目線。水上恒司は最近かなりよく見ますが、軍服似合うなあ。出口夏希ちゃんは舞妓さんちのまかないさんからもうすでにファンです。
そしてやっぱり安定の松坂慶子。おばあちゃんやらせたら右に出るものなし。
伊藤健太郎は久々見ました。今度は特攻隊で交通事故思い出しちゃいましたが、もう逃げないでね。でも明るい役、結構良かったです。

小学校や中学校で社会科見学した戦争関連の博物館、資料館、全く真面目に観てなかった。ようやく今くらいの歳から興味出てきたので、改めて学び直したいなと思ったりしました。

隣で見ていた娘はこういう泣ける映画でも一切涙を流さない人だと知りました。
りょう

りょう