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裸のランチ 4Kレストア版の作品紹介

裸のランチ 4Kレストア版のあらすじ

1953年、ニューヨーク。害⾍駆除員のリーは誤って妻を射殺、ドラッグに溺れ、謎の⽣物に⾔われるままスパイ活動に巻き込まれていく男の冒険譚。映像化不可能と⾔われた W・S・バロウズの代表作を⻤才クローネンバーグ監督が映画化し、カルト的⼈気を誇る問題作。バロウズ⾃⾝の半⽣を盛り込み、⼤胆な脚⾊と鮮烈な想像⼒で描く。

裸のランチ 4Kレストア版の監督

裸のランチ 4Kレストア版の出演者

原題
NAKED LUNCH
製作年
1991年
製作国
イギリスカナダ
上映時間
116分
ジャンル
ドラマ
配給会社
東北新社

『裸のランチ 4Kレストア版』に投稿された感想・評価

symax

symaxの感想・評価

3.7
"…ジョーン…ウィリアム・テルごっこをしよう…"

害虫駆除員として働くウィリアム(ビル)・リー…ここのところ薬剤が足らなくなっている…それもそのはず、ビルの妻ジョーンがゴキブリの薬剤を打ちハイになっていたのだ…元々麻薬中毒者であったビルは、妻が勧めるままゴキブリの薬剤を打つ…ハイになったビルとジョーン…
おもむろにウィリアム・テルごっこをやり、ビルは誤ってジョーンを撃ち殺してしまい"インターゾーン"に逃げたのだ…

"12ヶ月のシネマリレー"の一本として4Kレストアされ蘇ったクローネンバーグ監督の傑作…

私が大学生の頃、ハマりにハマった"ビートニク"…ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグと共に、その著作を読みまくったウィリアム・S・バロウズの最高にしてさっぱり訳の分からん傑作"裸のランチ"…それをあのクローネンバーグが映画化…いやいや、無理でしょ?と疑いつつ劇場鑑賞したあの日が懐かしい…

そもそもバロウズの"裸のランチ"に明確なストーリーは無く、"カットアップ"という実験的なテクニックを駆使して書かれた作品ですが、この"カットアップ"なる技法、文章をバラバラに刻んでランダムに繋げる技法で斬新且つシュールなんですが…これが何が良いのかさっぱり分からず…なんとくなく"すげーな"との感覚で読むモノと私的には理解しバロウズの作品を片っ端から読みましたが…全く理解できない…

ですから、クローネンバーグがどう表現するのか当時公開を心待ちにし、初日に鑑賞しました…で、率直な感想は…"そうくるか"でした。

当時の私は、知ったかぶり全開の生意気な学生で、理解している風でしたが、ぶっちゃけ何が何だかさっぱり分からず、初見では生意気にレビューしましたけど本作の良さを理解しきれていない部分が多かったのでした。

ジャンキーから見た世界を文章にしたバロウズ…
ジャンキーから見た世界を映画にしたクローネンバーグ…

劇中でウィリアム・テルごっこをやって妻を誤射するシーンは、バロウズ自身が起こした有名な事件なのですが、コレを作品に織り込む事で本作がクローネンバーグによるバロウズ論であるとの意味合いが強くなるのです。

ジャンキーから見た妄想と現実の垣根を取っ払った世にも不思議な世界がスクリーンに映し出されるのです。

主役のピーター・ウェラーが、何処となくバロウズに似た風貌であることもミソですね。

バグライターやマグワンプが闊歩するこの世界観の見事さは流石クローネンバーグであります。

…"ニンフォマニアック"Vol.1とVol.2からの本作で今日は約6時間…ちょっと無謀…尻は痛いし、作品が重苦しくゲンナリしてしまいましたが、濃厚な時間をたっぷりと堪能させて貰いました…
桃龍

桃龍の感想・評価

3.0
クローネンバーグ好きなので10年ほど前に見ようとして、あまりのわけわからなさに何度も途中で寝落ちし、見ないことにしていた作品。
12ヶ月のシネマリレーがこれでコンプリートなので、がんばった。笑

喋るタイプライター虫と、スター・ウォーズで酒場にいそうなキャラは、とてもいい。これを活かし、妄想ストーリーではなく、大傑作の『ザ・フライ』みたいにちゃんとした話にできなかったのだろうか。もったいない。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【カットアップ】

小説より映画の方が分かりやすい気がするのは僕だけだろうか。

なんともスタイリッシュにまとめた作品だ。

冒頭から理性を否定するかのような会話だ。

関連性のないものも関連性があるように見えたり。

文学的ハイとか、カフカ的ハイとか、終盤の文学的だが神経症的だとかがそれだ。

実は関連性がなくても意味があるように、或いは、関連性があるように結びつけることは可能なのだ。

“執着”がそうする場合もあるだろう。
バロウズが薬物を中断して「裸のランチ」を書いた時には、本当にタイプライターが意思を持っていて、書かされていたように感じていたのかもしれないなんて思う。

このデヴィッド・クローネンバーグの映画「裸のランチ」は、ウィリアム・バロウズの原作(原案)小説「裸のランチ」と異なると言われるが、僕は、デヴィッド・クローネンバーグが、小説「裸のランチ」と、ウィリアム・バロウズの半生と、更に、デヴィッド・クローネンバーグ自身のヒストリーをちょっと、”カットアップ”して制作した作品なんじゃないかと思っている。

「カットアップ」とは、1910年代に始まった芸術運動のダダイズムで偶然編み出された手法で、新聞記事から切り出した言葉をランダムに取り出して詩を作るというところから始まったものだ。
つまり、冒頭に書いた、本来は関連性はないのに関連性があるかのように仕立てるということだ。
これを小説に発展させたのはウィリアム・バロウズだとされている。
薬物中毒者だったバロウズの頭のなかでは、これが妙に符合したんじゃないかと思うのだ。

話は逸れるが、バロウズは、ビート派、或いは、ビード・ジェネレーションと呼ばれる文学活動を代表する作家のひとりとされているが、ダダイズムは第一次世界大戦、ビート派は世界恐慌と第二次世界大戦の混乱がその背景にあり、ビート・カルチャーは、ヒッピー・カルチャーに多大な影響を与えたとされている。ヒッピー・カルチャーの背景にはベトナム戦争があったことは言うまでもない。

そして、いずれも、戦争を中心とした世界的な混乱や不安を背景に、それまでの文化に対しても失望感が広がり、新たな文芸活動を模索する運動につながるのだが、ヒッピー・カルチャーは、カットアップについては何か新しい試みは行われず、クローネンバーグが、自身が敬愛するバロウズの小説「裸のランチ」とバロウズの半生をカットアップして映画に昇華させるという実験を行ったのではないのか。
クローネンバーグは、もともと小説家を目指していたらしいが、バロウズの作品に出会い、小説家の道に挫折、映画の道に転じたとされている。そしてバロウズ作品の中でも「裸のランチ」は彼の愛読書だったらしいのだ。

だから、バロウズでは文章の中で起こっていることを、バロウズの半生などをカットアップして、文章と映像を混然とした状態で表現しようとしたのではないのか。

バロウズは、薬物中毒を脱して、「裸のランチ」を書いたとされるが、その後再び薬物中毒者になってしまう。小説「裸のランチ」は、その表現からアメリカで当時発禁処分となったが、それが奏功してか、大ヒットとなる。作品も非伝統的だが、公的に否定されたことでヒットするということも非伝統的で皮肉だ。

ダダイズムも、ビート・カルチャーも、ヒッピー・カルチャーも否定した伝統に基づいた文芸活動や、合理主義・物質主義は、今も僕たちの世界の主流だ。

人種、民族、宗教、障碍者、ノン・バイナリーを含むジェンダーへの考え方は多様で以前より肯定的になったが、経済的合理主義に加えて、多様性合理主義から取り残された人たちの抵抗は必要以上に強くなっているように思う。
更に、経済的合理主義は、世界的な民主化を促すと多くの人は信じたが、同時に台頭した物質主義が過剰に拡大し、中国やロシアのように専制主義を強めるような結果にも繋がっている。

過去に学び、修正し、対応してきたはずの僕たちの世界は決して合理的には進まないのだ。因果応報なんて言うが、結局、ループして元のところに戻ってしまっているだけのように見えないこともない。

911テロ、リーマンショックに代表される金融危機、ギリシャ経済破綻に代表される欧州危機、IS、気候災害、コロナ、中国による香港弾圧・台湾への強圧的対応、ロシアのウクライナ侵攻など社会不安はずっと今も尽きない。

「裸のランチ」は、こうしたカオスともつかない混乱を肯定しているものではないと思う。作品自体は逆説的なのではないのかとさえ考える。

それでも僕たちは世界のほころびを修正して対応しようという努力を続けなくてはならような気がするのだ。

たとえ、ほころびが再び見つかろうとも。バロウズが薬物中毒から脱して「裸のランチ」を書いて、その後再び薬物中毒になったように。

それでもだ。

この映画は、きっと、バロウズへのオマージュであると同時に、現代の僕たちや更に未来へ向けたメッセージなのだ。

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裸のランチ

上映日:

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