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ローマの休日 4K レストア版のsymaxのレビュー・感想・評価

3.8
"…ローマです! なんと申しましてもローマです。私は、ここでの思い出を生涯大切にすることでしょう…"

ヨーロッパ各国を訪問中のアン王女はもう限界…最後の滞在地であるローマでの夜、アン王女はついに…

ローマの街を彷徨うアン王女とひょんなことから知り合ったアメリカ人の通信社記者ジョーは、アン王女に気付き、一世一代の大スクープをモノにしようと考える…

"今までやりたくても出来なかった事をやればいい…"

アン王女にとって生涯忘れ得ぬ"休日"が始まる…


もう、何の説明もいらない…誰もが生涯のベストテンを挙げる時、必ず選ばれる一本なのでは?

製作70周年を記念した4Kレストア…しかも淀川先生の解説が前後に挟まれるという贅沢な構成…

なんと言っても、当時まだ無名のオードリー・ヘプバーンの魅力が全編に溢れ、70年という時が流れたとしても益々観客を魅了しています。

本当に可愛いのです。

私が最初に本作を鑑賞したのは、まだまだハナタレ小僧だった小学生の頃、テレビでの鑑賞だったのですが…当時の私に本作の魅力が分かるはずもなく…長らくつまらない作品との印象が…恥ずかしい限りでございます…

やがて、大人となり様々な人生経験を経てから鑑賞した際に…光輝く本作の魅力を痛い程感じ、私のベストムービーの一本となった次第でございます。

余りにも有名過ぎるが故に、案外、鑑賞の機会に恵まれなかった方が多いのでは?

この機会に本作の魅力を是非劇場で感じて欲しいと切に願うのでした。

ラスト記者会見のシーンでの眩いばかりのヘプバーンのなんと美しいことか…

一抹の寂しさを感じ、後ろ髪引かれる思いで画面から消えていくグレゴリー・ペックの姿は、本当に秀逸です。

本作の脚本は、あの伝説のダルトン・トランボ…赤狩りでハリウッドから追放されたハリウッド・テンの一人だったのを改めて知り、驚いた次第です…

淀川先生のよーく聞くと解説にもなーんにもなってないとこなんざぁ…流石ですぜ…
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