マインド亀

犯罪都市 NO WAY OUTのマインド亀のレビュー・感想・評価

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
4.0
マンネリの壁を乗り越えた!凶悪さと爽快感が限界を突破したシリーズ第3作!

●正直、見る前は割と不安でしたが、なかなか良かったです!
というのは、この人気の『犯罪都市』シリーズ、前の二作目にしてこのシリーズの定型というかパターンと方向性がすでに決まってしまった感があり、またそこに大人気マ・ドンソクの割と固定化されたキャラクターイメージ(Netflixの『バットランドハンターズ』もほぼ同じキャラクターでしたね)もちょっと飽きた感が重なってしまい、純粋に楽しめるかどうか、と思ってしまったんですね。
ですが、そんな心配は杞憂に終わりました。面白かったです!

●実は『犯罪都市』とマ・ドンソクファンにも関わらず、色々とタイミングが合わず、映画館で観たのはこの3作目が初めてだったんですよね。やっぱりね、映画館で観ると、マ・ドンソクのビッグパンチの炸裂音がめちゃくちゃ気持ちいいんですよね。爽快感が半端ない。やっぱりこの作品は映画館で観ないとだめですよね。

●『犯罪都市』シリーズはまず敵役がこれ以上ないくらい、普通の道理が通用しない凶悪さと、独りでも何十人を相手にしても刃物でサクサク殺していけるくらいの最強さを兼ね備えていることが前提。観客に、「人生で絶対に関わりたくねえ〜!」という恐怖感を与えてから、マ・ドンソクがパンチ一発で正義の鉄槌を下す、このカタルシスが最高なんですよね。この型が全2作ですでに出来上がっており、この型のマンネリをのりこえるためには、より一層の凶悪なキャラクターととんでもない犯罪の設定が必要。
そこを今作はどうするのかと思っていたら、ついに日本のヤクザを出してきたんですね。さらに警察内部でヤクザやマフィアと繋がるどうしょうもないくらい凶悪でクソ野郎な刑事との、三すくみの混乱が繰り広げられる。日本のヤクザには青木崇高が『るろ剣』アクションチームを携えキレッキレの日本刀アクションを見せてくれます。また、親分役には韓国でも人気の國村準。これがまた日本人にもヒリヒリくるようなしびれる演技でめちゃくちゃ怖い。汚職刑事にはイ・ジュニョク。この俳優さん、私はあまり認識してなかったのですが、ハンサムなのにいけ好かないし凶悪な感じがイケてますよね。
で、マ・ドンソクはもう、これはメタヒューマンかミュータントかなんかなんですか!?完全にアメコミヒーローの強さですやん!?
なんせその強さによって、ピンチがまったくハラハラしない(笑)もう、ここまで来るとハラハラすることが余計な要素と思えるくらい、安心の強さなんですよね。むしろハラハラするよりも、「早くこいつらをぶっ飛ばしてくれーー!!」ってなってしまってます。そのボルテージが最高に上がったところで、マ・ドンソクがセットを破壊するくらいヴィランをぶっ飛ばす!コレコレコレコレ!キタキタキタキタ!
またこの三すくみの勢力バトルが、かなり整理され、シンプルに力強いストーリーとなんですよね。余計なことを考えることもなく、マ・ドンソクがそれを一掃!この爽快感はついに限界を越えました!

●マ・ドンソクのキャラクターモデルは、『ダイ・ハード』のマクレーン刑事っぽいんですよね。明らかに人間ではない強さなのに、表情は「ああ〜またかよ…やれやれ」的な人間味溢れるところが魅力的。他の作品でも似たようなキャラクターなんですけど、やっぱり犯罪都市のマ・ドンソクが一番良いんですよ。さらにその上でマ・ドンソク自身のインテリジェンスを反映するように、物語上でもヴィランを出し抜くくらいの知力を発揮するんですよね。
また、毎回毎回チームとの連携も素晴らしい。今回は新たに異動になったソウル広域捜査班の超個性的な面々もいい。でもキャラクターの描き方はほぼ一緒。なんせ「イイ顔」な顔面が揃ってて、ちゃんと強くて正義感があって、絶対に裏切り者なんか出ないだろうな、って安心感がある。このへんは昔の日本の刑事ドラマとか、アニメ『攻殻機動隊』の9課の面々のような良さがありますよね。もう4作目にこれまでの同僚全部集めて派手にやってしまってほしいですよね。これぞマ・ドンソクシネマティックユニバース(MCU)!

●また毎回毎回マ・ドンソクにいじめられる、これまた「イイ顔」な情報屋、もしくは口の軽い裏切り者が出てくるんですが、今回はコ・ギュピル、チョン・ソクホがコメディパートでめちゃくちゃいい味出してましたね。次作にも出てほしい!
で、今回前作までの情報屋、パク・ジファンは今作ではどうなるのか!(笑)是非劇場でお確かめください!!
さあさあ、4作目をどうやってさらなる限界突破させてくるのか、かなり楽しみになりましたね!!
マインド亀

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