やはりこの手の映画は劇場で観るに限る。
唸るエンジン擦れるタイヤ……。熱いレースにスタイリッシュな演出が最高だった。
これが実話に基づくというのだから面白い。
まさに現代版シンデレラストーリーで、ゲーマーがル・マンで表彰台に上がる姿に心の底から燃え上る。
グランツーリスモで数え切れないほどコースを走り、数え切れないほど車をイジってきたと語る主人公ヤンの強キャラ感が実に良い。
また、ヤンの良いところがプロのレーサーになってからも変に調子に乗らない。コーチへの感謝やグランツーリスモへの愛は変わらず、東京観光に興奮している様が何とも微笑ましい。
実際のヤンも写真を見た感じ好青年そうで、映画を観ただけだがこれからも応援していきたいと思えた。本作のスタントを一部実演していたりと映画通りの人物なのだろうと思うとなかなか好ましい。
本筋外の部分も実に良く、父親との確執と和解。事故から立ち直る際のコーチとの絆等感動する場面も多くて良かった。
個人的に毛色は違うが『フォードvsフェラーリ』で上がっていたハードルを超えてくれたと思う。
グランツーリスモをプレイしたことがない人間でも何となく、日本人として誇らしく感じられる作品だと思う。
