回想シーンでご飯3杯いける

ドリーム 狙え、人生逆転ゴール!の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.8
韓国の映画やドラマが好きな理由のひとつは、コメディやアクション映画でも、その土台にしっかりとしたメッセージがある事。本作は、ホームレスによって結成されたポンコツ・サッカーチームが「ホームレス・サッカー・ワールドカップ」に出場する実話ベースの話なのだが、その背景にあるのは、民主主義の基本理念である。

「自分が人生の主体であり、信念を貫き通せる人生。それが目標です。」

本作の主人公を演じるパク・ソジュンが「梨泰院クラス」の中で語る台詞であるが、それはまんま民主主義の基本理念であり、本作の基本的なメッセージでもある。

そのパク・ソジュンは、暴力事件でクビになった元プロサッカー選手役で、本編ではあくまで選手達を支える裏方である。一方で、ストーリーの主人公となるのは、過去の失敗により家族と疎遠になってしまったホームレスのオジサン達である。彼等一人一人にスポットが当てられ、それが終盤の試合シーンで見事にクライマックスへと繋がっていく。

低予算っぽさは否めないが、題材が低所得層の男達という事もあって、むしろそれが説得力に繋がっている。やや出来過ぎな話ではあるものの、このタイトルなら難癖を付けるのも野暮だろう。