迷える恐竜

ハロルド・フライのまさかの旅立ちの迷える恐竜のレビュー・感想・評価

3.0
主人公、高齢のハロルドフライが、旧友の死期が近いことを手紙で知り、その人のところまで、数か月歩いて訪れる人間愛的なものを描いた物語。主人公には昔優秀な息子がいたものの、ハロルドのせいだったか自殺してしまった。ハロルドはずっとそのことを後悔しており、妻からはそのせいで冷たく当たられている。ハロルドが死のうと思っていた時に手を差し伸べ助けてくれたのが、先述の旧友。その人のおかげでまた生きる気力を得たわけだったが、妻への申し訳なさもありその人とは疎遠に。そんな時手紙でホスピスにいると知る。距離的に駆けつけることは不可能と決めつけていたが、若いコンビニ店員が死にそうなおばあちゃんへの後悔を口にしていることをきっけけに、遅いということはないと再確認、ついに歩いてその地へ向かう。何度もくじけそうになりながらも、乗り越えいろんなサポートを得ながら、達成する物語。実際にあった彼女は想像以上に衰弱していて疎通も取れないリアリティは痛切であった。
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