このレビューはネタバレを含みます
世界史でちょろっと聞いたのが記憶に残っていたので。もっと詳しく話してくれよ先生。
手紙等が残っているので史実にかなり忠実らしい。
ユダヤ教徒でありその生涯をユダヤ教徒として終えたイエスを神の子とし信仰しているのがキリスト教。どちらも全能の神を信仰する。
隠れキリシタンがいたあの時代の日本とピウス9世にも縁がある。
エドガルドの父もピウス9世も「息子」を自分から引き離さないように奮闘するけれど、エドガルドの父は助言も受け入れず聞き流したり、裁判で必要なことを言い忘れたりと完全に無能。
ピウス9世は反発されているにも関わらず、儀式にこだわりイタリア統一を進めてしまうなんてあまりに滑稽。
終盤の勢いが凄まじい。
エドガルド、完全にどっぷりでユダヤ教徒の母に洗礼を授けたいっていう思考が怖すぎた。キリスト教徒として洗礼を受けていれば死者は地獄へ行かないという考えで、エドガルドに洗礼を授けたアンナと全く同じ思考回路。善意による悪。
ピウス9世が亡くなって一瞬我に返り、母の死で目覚めたかと思いきやベルギーで司祭として生涯を全うしたとか。こわいね
こういった宗教による誘拐はこの件だけではなく数え切れないほどあるというのが事実でこれまたこわい。
「最悪を想定して最善を尽くす」って格好いい