雁田

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命の雁田のレビュー・感想・評価

3.8
徐々に複雑化していく宗教による分断は
ここまでおぞましくむごいものなのか。

エドガルドは、終始不幸な存在であったのか。彼を取り巻く状況を悲しみ、憂い、苦しむものは救うのか。それは幸福な終わりを告げる事になるのか。

登壇していただいた押場靖志さん
(学習院大学講師/イタリア語、イタリア映画研究)
の話が非常に興味深かった。(ネタバレは公開後に。)
少しその話題に触れるならば、
この監督の最初の映画の題名は『ポケットの中の握り拳』だそうです。大きくは関係しておりませんが、映画を最後まで見た時に何か感じるものはあるかもしれません。

エドガルドの一生を見続け、彼自身の答えをみた時に私は涙が止まりませんでした。試写会で涙する。いえ、映画の内容で涙するのは久しぶりでした。
あぁ。泣いてしまったと思ったその後にもまた泣きました。
イタリアの歴史も動いていく時代。変化というのはその最中にいる人ほど長く感じるもの。ですが、檻の中の彼にはその変化は分かりません。それほど怖いものはないかもしれない。
雁田

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