健一

PERFECT DAYSの健一のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.8
The Tokyo Toilet。



PERFECT DAYS 素晴らしき世界。
完璧な日々 Wonderful World。


まず第一に。
本作にて役所広司さんがカンヌ国際映画祭にて最優秀男優賞を受賞!🎉
おめでとうございます。 😁
柳楽優弥 以来史上2人目。
三船敏郎、渡辺謙さんですら成し遂げていなかった この快挙!
同じ日本人としてとても誇らしいです。🥹

ヴィム・ヴェンダース監督の最新作はなんとオール日本人キャストで舞台が東京の日本映画!😳
これ、日本映画でいいんだよね?

ヴェンダースがこんな日本人に沁みる作品を撮るなんて・・・
鑑賞中『これ、ホントはジム・ジャームッシュが監督してんじゃないの?』と錯覚してしまうほど。😅

『映画』ってやっぱり出会う時のタイミングってありますよね!
今(2023年年末)この作品に出会えてホントによかった。
2〜30年前に出会っていたら まだまだ人生勉強の足りない私は この作品を深く理解出来なかったであろう。

PERFECTDAYS。
皮肉? 強がり? それともこれが
ホントの『しあわせのかたち』なの?
完璧な日々。 ではなく
『完璧な ルーティーン の日々』なんだと思う。

私は東京に住んで24年。
でも公園の公衆トイレなんて10年に一度入るか入らないかのレベル。
なのでホントにビックリした。😳😱
東京(渋谷)の公衆トイレってこんなにスタイリッシュでカッコいいの?
本作観た外国人も絶対ビックリしてるはず。
ガラス張りのトイレでスイッチ入れたら 曇りガラスになるなんて!
なんてファンタスティックなトイレ🚽‼️


さて本作。 ネタバレあり。


見上げればスカイツリー。
でも足元は過酷な生活。それが現実。
無口で孤独なおじさん。 公衆トイレの清掃員。
何も変わらぬルーティンの日々。
カセットテープ、フィルム二眼レフカメラ、ガラケー、古本屋で買う100円の文庫本。
ハイテクなものは一切排除。
時代に逆らっているのか?便乗しないたげなのか?
『自分だけの幸せ』を見事に確立し生きている。
そう。これも『しあわせ』のひとつなのだ。

同僚やその女友達、大きく育った姪っ子の出現におじさんのルーティーンは脱線してしまうこともあるが、おじさんはそんなことでは 動じない。
劇中、劇的なことはほぼ起こらないのにずーーーっと本作を観ていたくなる。
特に東京に住んでいるオジサンには最高に沁みる作品だと思います。

オジサンの同僚に柄本君、妹に麻生さん。
飲み屋のママに石川さゆり、その別れた夫に三浦友和。公園で踊っている『変なおじさん』に田中泯と。
脇も固めるキャストも意外と豪華。
特に役所さんと三浦友和さんのツーショット共演は本作最大のみどころ!

出来ればシネマスコープで観たかったのだが、ほぼ正方形のサイズの画角だったのがちょっと残念。
だが、孤独な男の余生と東京の街並み。
そして・・・日々の 木漏れ日。
ドイツ🇩🇪の名匠が 東京という街を美しく悲しく切なく『PERFECT』にフィルムに納めてくれました。


2023年 12月25日 13:35〜
TOHOシネマズ池袋screen 4
💺119席
客入り ほぼ満席(最前列の2〜3コしか空いてなかった)。

ちなみに・・・
叔父さんと姪っ子の交流が心に響く本作ですが。
わたくしの姪っ子は若くして結婚、出産しましたが 今年の9月に離婚してしまいました。😔
元旦那と息子(6歳)は秋田県に帰ってしまい一人になった姪っ子は今、浅草で一人暮らしをしています。
浅草。そう。本作のオジサンと同じ街です。
ご近所だったら嬉しいな。☺️
あれから3か月。
無事に暮らしているだろうか?
友達と楽しいクリスマスを過ごせたのか?
姪っ子の「PERFECTDAYS」だけが私の唯一の『願い』と『希望』です。 ☺️
健一

健一