このレビューはネタバレを含みます
MB14の多才っぷりときたら！
類稀なビートボクサーなのは周知の事実だが本作ではラップに芝居、果てはオペラまで吹き替えなしだなんて鳥肌モノ。オペラを学ぶきっかけになる(配達先で揶揄われて咄嗟にオペラを歌い遣り込める)シーンなんか、過剰な演出じゃなく本当に歌声の素晴らしさだけで圧倒される。
オペラを習うため高級アパートメントに通うシーンはどことなく「小説家を見つけたら」を彷彿とさせる。ストーリーは人種差別にロマンスに恩師の病い、育った環境によるしがらみや絆がたっぷり描かれるから若干もたつく感があるものの、粗野だが憎めない兄をはじめとした魅力的なキャラクター達のおかげで退屈することなく爽やかに観終えた。やっぱり音楽っていいね。
