このレビューはネタバレを含みます
アホのパニッシャーみたいな兄貴がずっと良い。
「50点は取れ」「半分?(でいいのか?)」
という友達とのやりとりは笑った。
富士山のポスターはもちろんw
そんな兄貴が最後のオーディションシーンで雄叫びをあげる姿には泣けたよね。。
自分の状況を理解しているからこそ、弟をしっかり大学を通わせようとしているところに、深い愛情も伝わってきて素敵だったよ。
現実的に、優れたオペラの先生がラップにハマるようなことはなかなか無いにしても、こうやって相手のフィールドや好きなものを本当に理解し合える関係性は尊いなぁ。
2Pacの音にあんな風に乗るんだ?とは思ったけどw
やっぱり人間は、どこかに属することが大切なんだと思う。
アイデンティティの置きどころが宙ぶらりんになると、アントワーヌのように途端に心ここに在らずになってしまう。
どこまでも繋がりの生き物なんですよね。
綺麗に歌えなくなってしまったアントワーヌが、最後に仲間たちが駆けつけてくれたことで歌声を取り戻したのは、自分の居場所の存在や「誰かのため」に歌えることがいかに大切かを表していたもの。
良くも悪くもありきたりな物語。
せっかく富裕層の象徴としての「オペラ」と貧困層の象徴としての「ラップ」を交えさせていたので、
その二つの層が手を取り合うようなサブストーリーがあったら、もう少し厚みを感じたかなぁとは思ったな。