らんらん

FLY!/フライ!のらんらんのレビュー・感想・評価

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)
4.7
いきなり余談ですが…

『ロシュフォールの恋人たち』(1967)のマクサンスや、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)のサルヴァトーレを演じた、フランスの名優ジャック・ペラン。

彼が監督した美しくも感動的なドキュメンタリー、『WATARIDORI』(2003)には当時度肝を抜かれた。

2005年には、やはりフランスのリュック・ジャケ監督による『皇帝ペンギン』が公開され、こちらはDVDも買ってしまった。こちらも凄いドキュメンタリーだった。(2017年に続編公開)

2022年に先述のジャック・ペラン氏が亡くなり、今年2024年、やはりフランス人のパンジャマン・レネール監督による、今度は可愛らしいカモの一家のアニメーション作品が公開された。

**
フランス人は鳥が好きそうだ。

観た人なら分かるけれど、本作は渡り鳥は言うまでもなく、ペンギンにも敬意が捧げられている。
3作は関係ないかもしれないけど、ちょっとは関係あるんじゃないだろうか。心の中とかで。

『WATARIDORI』は、鳥瞰映像の迫力で鳥や地球の美しさを伝えると共に、渡ることの厳しさが描かれていた。

本作では鳥が空に飛び出す瞬間を擬似体験する、あのカタルシスを久しぶりに思い出した。
渡ることの厳しさは、世間知らずな一家の冒険譚と成長譚として、カリカチュアされた鳥の社会で楽しく語られる。そして老若男女一人たりとも取りこぼさない。皆一緒に行く。

シェフは、私はもっと日常的な白いコック帽を被った感じが良かったな。子供達にヴィランだってすぐに分かるようにあんな感じになったのかな。
まあいいか。

私も鳥になったあかつきには是非空をぷかぷかと飛びたい。(そんな呑気じゃないけど)

**
アニメーション・スタジオのイルミネーションは、2023年『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が大ヒット。
こちらが次作で、マリオはもう2026年の続編公開が決まっているらしい。

マリオとマリオに挟まれて、鳥への愛と敬意をフランス人が語る。

そういう目配せを、時々忘れた頃に仕込んでくれたら、世界って楽しいなってより思えると思うので、神様よろしくお願いします。今年のお願いは以上です。

目指せジャマイカ!🦆🌤️
らんらん

らんらん