このレビューはネタバレを含みます
こんな良作に劇場で出会えなかった自分が情け無い……!
肌触りさらっとしているのに豊穣。
登場人物はクールな会話の中にあつい人情を伝えてくれるし、説明なしの時間の飛び方は複雑さよりも小粋さをつくり上げてる。ユーモアもあって、なによりピアノやピアニストへの、音楽への敬愛があって、いいなぁってしみじみ感じられる。
本来はここから抜け出したい、ここにいちゃダメだと思う街で、だけど抜け出したあと、メチャクチャなのにおもしろかったって他人に話せる爽快さとともに街を駆けまわる。
結構なハードボイルドな会話もあるんだけど、ナルシシズムに陥らずにとにかくクールに魅せられた。ジャズってそれこそ花瓶みたいに使われてきざな場合も多くあるのに、なんて言ったらいいのか。
ピュアだった。
一夜ものとして最高だと思った。
すごく好きだった。ウワー!