観る前と観た後で、石原さとみに対する見方が大きく変わる、そんな一作。
前半は黒さとみ全開。
同情はするが、まったく好感を持てない母親役の石原さとみがすごい！
誹謗中傷にガチ切れし、少しでも言葉を間違えると噛みつかれ、吠えられる、町で会いたくない人No. 1。
ほぼノーメイクだと思うが、あの石原さとみが地方にいるまあまあ綺麗な人くらいにしか見えないのもすごい。
そんなルックと絶妙な表情とブチ切れ方が上手すぎるので、前半は笑ってはいけないのに面白くも見えてしまう。劇中でも間違いを冒した人を嘲笑するのはどうなのかと言及してるのに、なんとも意地悪な演出。
そんな笑っていいやら悪いやらが、観ればわかるけど、こんな時に何を言ってんねんというあのカメラマンのツッコミに繋がり、あの悲痛な前半のクライマックスにもっていかれる。
観る前から「シークレット•サンシャイン」を想起する映画だと思っていたが、後半、これが「スリー•ビルボード」もちょっと入ってくる。泣きますよ、そりゃ。
許さなきゃやってられないし、それでも生きていかねばならない。
他の役者さんももちろん、吉田恵輔の脚本演出も素晴らしいけど、なにより石原さとみの役者株がストップ高になる傑作。
