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ミッシングのshigeのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.2


試写で見させて頂きました。
試写で石原さとみが最初の挨拶で涙しながら挨拶したとこからも分かるように石原さとみのこの作品に対しての熱の入り方は半端じゃなかった。
もちろんキャスト全員素晴らしかった。
ただみんながイメージしてる石原さとみからは想像できない姿がスクリーンに映し出されたこと見ると、石原さとみはこの作品を役者人生の分岐点にすると決め腹を括ったことが分かる。
表情や言葉の発し方、歩き方、姿勢、どこを見ても何か憑依されたような感じするした。
本人も後に引きずる役だったから撮影終わった後すぐにショートカットにした、とか言ってたけど、所謂ゾーンに入っていたんだろう。
あのキラキラとしたイメージを壊させた吉田恵輔監督の力も半端じゃない。
石原さとみについてはこの辺にしますが、作品も勿論素晴らしかった。
『空白』の地続きのような作品で人のグロテスクな部分と温かさを描かれていてこれは吉田恵輔監督のシグネチャーなのかもと思った。
ヒューマンドラマだが、娘の失踪というミステリー要素もあるから緊張感も常に保たれていて最初から最後まで全く飽きさせない作りになっていることも監督の構成の素晴らしさな気がした。
失踪した娘を探す母親、その家族、それを報道するメディア、その報道を見た人たちのリアクション、またそれを見て振り回される母親。
これってこの5年以上ずっと自分たちの生活で起きていること。
何かが欠けている部分を持っているのが人間だと思うが、それを許さない世の中の流れもあり、人が人を裁くことが当たり前の時代であることをしっかりと描きつつ、最終的に温かさ、うっすら光が差し込むような終わり方にしてくれて良かった。

石原さとみ演じる 沙織里 がやたらと" everything will be fine"Tシャツを着ていたのが印象的。
このメンタルで常にいたんだろうな。
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