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ミッシングのrenのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.2
fan's Voiceさんの独占最速試写会にて鑑賞させていただきました。素晴らしい作品でした。

吉田恵輔監督作は、心を抉られるような解像度の高すぎる「嫌なこと」が次々と降りかかってくる。
しかし映画の内容は、殆どの人が人生で経験しない様な事件や状況を題材であるが、殆どの人が人生で感じたことがある日常的な嫌なことのレベルに落とし込まれているように感じる。
映画内で起こっていることが、もはや自分ごとの様に辛い気持ちになってくるし、冷静ではない主人公や周りの登場人物たちを通して自分の振る舞いは正しいか?世界のあり方は正常か?と、考えさせられる。
今作のミッシングは、明確にマスコミ批判の視点を取り入れ、SNSなどの心無い人の存在が主人公のメンタルを蝕む描写をハッキリと描写し、真っ暗闇の中何とかしようともがく母親の姿を描いた。
石原さとみの新境地とも言えるほどのボロボロな女性の役作りと慟哭の演技が相まって、「いつかこの人は道を踏み外してしまうんじゃないか」みたいな不安感と緊張感で体を固くして鑑賞してしまった。
ラストシーンの「いつか報われる」という様にも感じられる展開で仄かな救いに涙が出ました。
圧巻の118分でした。

鑑賞後の監督本人によるトークも大変楽しく、マスコミやSNSに対してだったと思うが「手伝わなくていいから邪魔をしないでくれ」と仰られていたことが印象的でした。
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