真っ黒こげ太郎

12デイズの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

12デイズ(2007年製作の映画)
3.7
アメリカVS北朝鮮!

この危機を回避できる最高機密は今、ひとりの男に託された!




隠しカメラを忍ばせて潜入し、裏社会等の危険な現場で次々と突撃取材を行っていた命知らずのフリーレポーター、ダン。

ある日、ダンはジャーナリストとして活動していた兄ピーターの死を知らされる。
なにやら取材先のホテルで事件に巻き込まれてしまい、不審な死を遂げていたのだ。

ピーターは持ち前の行動力で独自調査をおっ始め、兄の死の真相を探る。
が、逆に謎の組織に監視&襲撃され、命を狙われてしまう。
この事件の裏には、北朝鮮やアメリカ政府を巻き込んだデカい陰謀が隠されていたのだ。




兄の死の真相を探るジャーナリストが、国家絡みの巨大な陰謀に巻き込まれてゆく、ポリティカル・サスペンス・アクション。
監督は「復讐のエトランゼ」や「ハード・スキャンダル」等のテレビ用サスペンスアクションを手掛けるブライアン・ゴーレスさん。
今作も例に漏れずテレビ映画となっております。

今回は所謂「事件を追ったら話のデカい陰謀に巻き込まれた」系のお話。
しかも、アメリカと北朝鮮の衝突が背景として描かれているという、この手の規模の映画にしてはかなりの大風呂敷を広げてますね。
とは言え、結局はニセ札絡みのお話に終始しており、結局のところスケールは小規模止まりだった。流石に無理があったか。
一応「戦争を回避できるか?」という煽り文句通りの展開も用意されてるが、そのクライマックスもただ報道するだけなんで地味。
(一応邦題はアメリカが北朝鮮に武力行使に出るまでのタイムリミットを刺していますが、あんまり関係なかった。w)


結局近所のボヤ騒ぎ程度のスケールになってしまってるし、身の丈に合わない内容になってしまった感はあるが、話は分かりやすくてテンポも良く、要所要所で逃亡劇も展開されているのでそれなりに楽しめる。


主人公が危険にガンガン突っ込んで行くタイプの主人公なのでそれが物語のテンポの良さに繋がっている。
登場人物の関係性を二転三転する展開もまずますで、終盤で味方になる人物もそこそこ意外性はあったかな。

アクションは逃亡劇メインでそこまで派手ではないが、展開のスピーディさに一躍買っている。
ただ、今回はかなり予算が少ないからなのか、過去作みたいなカーチェイスや爆破シーンが全くないのは残念。
一応車で轢かれたり、適度に強い主人公が敵から切り抜ける場面はあったりしたが…。



過去作に比べても相当安っぽくはなってしまっているが、それでもポンポン進む話運びに、作品を彩るアクションで気軽に見せてくれる、暇つぶしにピッタリなブライアン・ゴーレスさん印の安定した出来でした。
何時もの如くそれなりなクオリティでサクッと楽しめる部類なので、他に借りるものが無い時や何でもいいからサクッと見たい時にでもどうぞ。w