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アリーテ姫のKUBOのレビュー・感想・評価

アリーテ姫(2000年製作の映画)
3.5
「この世界の片隅に」の片渕須直の長編第1作。

塔の上から出られないプリンセスと言えばラプンツェルのよう? だがアリーテは塔を登ってくる王子さまに何の興味もなく、ただひたすら自由の身を欲する。

片渕須直も売れない時代はお姫さまと魔法の出てくるファンタジーだったか、なんて思ったらそうでもない。2000年と言えば、ディズニーは「ムーラン」(1998)、「ターザン」(1999)の後、「ラプンツェル」は2010年、ジブリは「もののけ姫」(1997)の後、「ハウル」は2004年、意外や意外、この時代にはこういうファンタジー設定の作品は狭間でほとんど作られていない。

「未来少年コナン」のように、かつての高度な文明が崩壊した後の世界か?

「自分の運命は自分で決める!」

「おやおや、人生には何か意味があるとまだ信じてるのかい?」

エンタメとしては中盤ダレるし、ラストも考えなしの結果オーライなんだけど、ファンタジー世界で描きながら、ディズニー的予定調和を全て否定して「人生」の意味を問うテーマは興味深い。

ダヴィンチがノートに書き残したような螺旋状の飛空挺もいいね。
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